看取りが近いと感じたら、事前にできること
高齢や闘病で最期が近づいたとき、まだ元気なうちに決めておけることを整理しました。獣医師との相談、看取る場所の選択、費用と火葬先の下調べまで。
亡くなってから慌てて決めたことは、あとで後悔につながりやすいものです。時間があるうちに調べておけることは、思ったより多くあります。この記事は、そのための整理です。
まだ読むのがつらい段階なら、無理に最後まで読む必要はありません。「火葬の依頼先を先に調べておく」だけ見ておくのでも十分です。
かかりつけの獣医師と話しておく
最初にすべきは、いま何が起きていて、これからどうなるのかを獣医師に確認することです。聞いておきたいのは次の3つです。
- 治療の目的が「治すこと」から「苦痛を和らげること」に変わる段階か(緩和ケア・終末期ケアの話)
- 自宅で看取れる状態か、通院や入院が必要か
- 急変したとき、夜間や休日はどこに連絡すればよいか
近年は緩和ケアや終末期ケアに対応する動物病院、自宅へ来てくれる往診獣医師も増えています(往診獣医師協会)。通院自体が負担になっている場合は、在宅でのケアという選択肢があることを知っておいてください。
毎日の様子を記録しておく
食事の量、水を飲んだか、排泄、起き上がれたか、呼吸の様子。簡単なメモで構わないので毎日残しておくと、獣医師に状態を正確に伝えられます(COCOペットジャーナル)。
記録は判断の助けにもなります。つらい日が続いているのか、波があるだけなのかは、記憶だけでは分からなくなるためです。
看取る場所を決めておく
自宅で看取るか、病院に任せるか。どちらが正しいというものではなく、ペットの状態、家族の生活、夜間に対応できるかで決まります。
自宅を選ぶなら、静かで温度が安定した場所を用意し、そばにいられる時間を確保しておく。病院を選ぶなら、面会の可否と連絡方法を確認しておく。どちらにしても、決めておくだけで当日の迷いが減ります。
なお、苦痛が強く回復の見込みがない場合には、獣医師から安楽死という選択肢が示されることがあります。これは飼い主が一人で抱える判断ではなく、獣医師と相談して決めることです。迷うこと自体は、責められるようなことではありません。
火葬の依頼先を先に調べておく
これが、事前にできることのなかで最も実務的で、最も差が出る部分です。
亡くなった直後は冷静な判断が難しく、その状態で電話をかけると、料金の確認が不十分なまま契約してしまいがちです。実際、ペット火葬のトラブルの多くは、この「急いで決めた」ことから生まれています(悪質業者を見分けるポイント)。
事前に確認しておきたいのは4点だけです。
| 確認すること | なぜ必要か |
|---|---|
| お住まいの自治体の対応 | 自治体によって、返骨できる市とできない市があります |
| 民間業者の総額 | 体重と火葬方法で決まります。目安は費用相場へ |
| 深夜・早朝に対応するか | 亡くなる時間は選べません |
| 遺骨を残すかどうか | 合同火葬を選ぶと、あとから返骨はできません |
自治体の条件は市ごとに大きく違います。お住まいの地域は地域別のページで確認できます。
費用を見ておく
火葬費用は体重と火葬方法で決まり、猫や小型犬で2万〜3万円、中型犬で2.5万〜4万円が目安です。自治体を利用する場合は無料〜1万円程度に収まることもあります(詳しくは費用相場)。
また、高齢期の介護や治療にかかる費用を見ておくことも、行政が飼い主向けに挙げている準備項目のひとつです(福島県「ペットの最期に備えましょう」)。
残された時間にできること
事務的な準備の話ばかりになりましたが、準備を先に済ませておく理由は、残りの時間を手続きの心配に使わないためです。
写真や動画を撮っておく、肉球の型を取っておく、一緒に過ごす時間を増やす。あとから「しておけばよかった」と思いやすいのは、こちらの方です。
亡くなったあとの具体的な手順は亡くなった直後にやることに、気持ちの整理についてはペットロスとの向き合い方にまとめています。
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